和牛と呼ばれるのは、
・黒毛和種
・褐毛和種
・日本短角種
・無角和種
の四種類だけです。
それ以外に日本産の牛で「国産牛」といわれるものがあります。
スーパーなどでよく、『国産牛』と書いてあるものがありますが、それは和牛ではなく、国内産の牛肉ということです。
『国産牛』には、
●ホルスタインなどの乳用種
●乳用種と肉用種を交雑させた「F1」と呼ばれる交雑種
●日本で3ヶ月以上肥育された外国産の牛
を国産牛と呼びます。
なので、ホルスタインなどの国産牛と和牛では種類が違います。
姿かたちも違います。
肉質も、霜降り具合も違います。
ホルスタインは、よく牛乳のパックにイラストが描いてるあるような白黒の斑点のある、皆が『牛』と聞いて連想するような姿かたちをしています。
人間が「牛乳」として飲ませていただいている牛の乳は、子牛にミルクを与えるためのものなので、生乳を生産する為には、子牛を生ませることが必要です。
でも、生まれてくる子牛の半分は雄なので、育てても生乳の生産はできません。
この雄の子牛を去勢して肥育したものがホルスタイン種です。搾乳を終えた乳牛も同様に食用として出荷されます。
ホルスタインを育てる目的は『生乳を生産をするため』なので、ホルスタインの肉質は和牛と比べて劣ります。
味はあっさりしていて、霜降りとかはなく脂が少ないために、切ったときに断面に赤身が際立っていて、健康志向の人には好まれています。
好き嫌いがありますが、健康的に、沢山お肉を食べたい人向きです。
価格も安く流通していて『特売用』として売られていたり、ミンチにしてハンバーグにして食べたりするのにも向いています。
国産と表記されるので紛らわしいですが、霜降りの肉質の柔らかい和牛とは別品種です。
乳用種と肉用種を交雑せた交雑種
交雑種(F1)とは、一つの品種(黒毛和牛種など)を言うものではなく、肉質向上やコスト削減の目的で交配されたものです。
ホルスタインの牝牛に黒毛和牛種の雄牛の種(種牛)をかけて肉質を改良したものが、多く流通しています。
交雑種はF1(エフワン)と呼ばれています。
黒毛和牛種の雄の種がかけ合わさっているので、ホルスタインよりも肉質は優れているといわれています。
雄の遺伝子により、霜降りが少し入るので肉質が柔らかくなるのです。
雄、牝とも食肉用に肥育されます。
黒毛和種の肉質とホルスタイン種の発育の良さを兼ね備えていているのも特徴で、
早く大きく育つので、餌代の点でも優れています。
黒毛和牛ほど霜降りにはなりませんが、価格も純粋な和牛と比べると手ごろです。
味も品質のホルスタインと和牛の中間という感じだと思います 。
国産牛と和牛
『国産牛』と『和牛』という呼び方が紛らわしくて、混同してしまいそうですが、
日本で流通している国内産の食肉には、このような種類の牛が含まれています。
和牛を育てるのは、手の込んだ飼育方法が必要です。
一言でいうと、太らせて脂肪を付けて肉質を柔らかくするのです。
えさを与える時期、タイミング、えさの種類、配合など、おいしい和牛を作るために、生産者の皆さんはとても研究されているんです。
手間暇がかかるので大量生産も難しく、国産牛と比べて肥育の期間が長く、
その分コストもかかってしまいます。
そのために和牛は、値段も高価になってしまいますが、国産牛と和牛を食べ比べればその味の差はやはり歴然です。
国産牛も改良が進み、かなりおいしい国産牛もたくさん出回ってきました。
ですが、和牛の美しいサシ、柔らかい肉質は日本が誇る食文化ほとんど芸術品だといえます。
価格が高価なので、特別な感じになっていますが、ぜひ和牛を食べて日本の食文化を残していきたいものです。